研究課題
本研究におけるモデル病原細菌Pseudomonas syringae pv. tomato DC3000にはrsmX遺伝子が5つある(rsmX1 - rsmX5)。まずrsmX1, rsmX2, rsmX5の単独欠損株並びにrsmX3, rsmX4はタンデム に並んでいたためそれらの2重欠損株を作出した。相同組換えによる欠損変異株の作出に当たっては、rsmX遺伝子の近傍にトランスポゾン様配列が存在している場合があり、特異的な相同組換えが困難と思われた。そのような場合には、トランスポゾン様配列も欠損させ、相同組換えの特異性を高めた。これら欠損変異株のswarming運動能を解析したが、変異株のswarming運動能は野生株(WT)とほぼ同様であった。5つあるrsmX遺伝子は相加的に働いている可能性が推察されるため、多重変異株を作出することにした。また、rsmXが捕捉するRNA結合タンパク質RsmAについては、rsmA1からrsmA5まで存在するが、それらの遺伝子をクローニングし、アミノ末端に3×FLAG配列を導入した変異株を作出した。これらの遺伝子を有する菌株を高菌体密度と低菌体密度で培養し、RsmAが結合するRNAを同定する準備を進めた。抗FLAG抗体を用いた UV-crosslinking immunoprecipitation and sequencing (CLIP-seq)法でcDNAを生成し、シークエンス解析を行う予定である。
3: やや遅れている
欠損変異株の作出に欠損予定の遺伝子の近傍にトランスポゾン配列が存在し、標的遺伝子の相同組替えが困難であったため。また、多重変異株を作出する必要性が生じたため。
多重変異株の作出をまず第一に研究を進める。
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