研究課題
Pseudomonas syringae pv. tomato DC3000にはrsmX遺伝子が5つある(rsmX1 - rsmX5)。まずrsmX1, rsmX2, rsmX5の単独欠損株並びにrsmX3, rsmX4はタンデムに並んでいたためそれらの2重欠損株を作出した。これら欠損変異株のswarming運動能は野生株(WT)とほぼ同様であった。そのため多重遺伝子の欠損変異株、rsmX15、rsmX1345、rsmX12345を作出した。これらのうちrsmX1345とrsmX12345は、軟寒天培地におけるswarming運動能が顕著に低下した。また、遺伝子発現様式を網羅的に解析するため、貧栄養培地で培養した菌体よりRNAを精製し、マイクロアレイ解析を行なった。但し、解析当時にはrsmX12345の5重変異株は未作出だったので、WT、rsmX15、rsmX34の2重変異株、rsmX1345の4重変異株について解析を行なった。その結果、4重変異株において特にWTとの間に遺伝子発現が異なっており、3型分泌システム関連遺伝子やべん毛関連遺伝子の発現が低下した。接種試験の結果、5重変異株の非宿主植物であるベンサミアーナタバコに対するHR誘導能は野生株より若干低下したが、宿主植物であるシロイヌナズナに対する病原力解析では安定的なデータが得られておらず、更なる解析が必要である。RsmAが結合するRNAの同定を試みた。5つのRsmA遺伝子のうちメジャー遺伝子と報告があるRsmA2のN末に3×FLAG配列を導入した菌株を作出し、抗FLAG抗体を用いたUV-crosslinking immunoprecipitation and sequencing (CLIP-seq)法でcDNAを生成し、シークエンス解析を試みたが、DNAの量と質の不足により解析不可能であった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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