研究課題
病原菌や害虫を直接殺さずに、植物が本来有する病害虫抵抗性を誘導して防除効果を示す抵抗性誘導物質は、耐性菌や薬剤抵抗性、予期せず出現した病害虫に対抗しうる有望手法である。しかし、これまで見つかった抵抗性誘導物質や上市された抵抗性誘導剤の多くはサリチル酸経路を活性化するタイプである。本課題では、アミノ酸であるL-ヒスチジン(His)によって誘導される植物の青枯病抵抗性の分子機構の解明を目的とする。これまで、外から与えたアミノ酸類が植物の生育に与える影響に関する膨大な事例があるが、植物ホルモンや病害抵抗性との関係について調べた例は少ない。アミノ酸を切り口とする独自性の高い本研究は、アミノ酸類と植物ホルモンや病害抵抗性の関係の理解に繋がると期待される。また、本研究を通じて青枯病抵抗性に関わる未知因子が同定できた場合、新たな抵抗性誘導剤等の病害防除技術に開発に繋がると期待される。本課題では、アミノ酸であるL-ヒスチジン(His)によって誘導される植物の青枯病抵抗性の分子機構の解明を目的とし、2つのサブテーマ(「エチレン経路活性化機構の解明」及び「青枯病抵抗性に関わる未知因子の探索」を策定して研究を進める。本年度においては、「エチレン経路活性化機構の解明」については、ヒスチジン代謝に関わる因子候補を同定した。また、「青枯病抵抗性に関わる未知因子の探索」については、青枯病発病抑制活性を示す物質を単離した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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