研究課題
生息調査では,2019~2022年の間に熊本5カ所,大分1カ所,長野6カ所、山梨1カ所、秋田1カ所,青森3カ所,福島4カ所,宮城3カ所,岩手1カ所,北海道1カ所で本種の成虫や卵を確認した.ツルフジバカマの繁殖調査については熊本県3カ所,青森県4カ所,福島県5カ所,大阪府1カ所でしらべ、結果率については,青森ではすべての地点で50%以上であったが,福島3 カ所,熊本1 カ所,大阪では0~44%と低い地点が見られた.結実率は青森の2 カ所で60%前後であったが,その他は全体に低く,6~46%であた.発芽率は青森の2 地点で42%以下だったほかは,いずれの地点でも50%以上で比較的高かった.COl遺伝子の一部領域を増幅し分子系統解析を行った結果、北海道と本州と九州に別れ、特に九州の個体は遺伝距離が大きく離れていた。開発した9個のマイクロサテライトマーカーを用いてSTRUCTURE 解析を行い,遺伝構造を評価した結果,本種は熊本、大分とそれ以外の2 つのクラスターに大きく分かれることが示された.さらに,熊本、大分の各個体群を用いて解析すると差は見られず1つのクラスターになった。長野、山梨、青森,秋田、福島,宮城,岩手、北海道の個体群を用いて解析すると,5つのクラスターに分かれ地点ごとに特定の要素をもつ個体の割合が多かった.遺伝的多様性を比較した結果,熊本と大分が低い値となった。以上の結果から,本種の生息が確認された地点でも,寄主植物の繁殖に関わる結果率,結実率,発芽率は,必ずしも高くはなく,寄主植物の衰退の要因となっている可能性が考えられた.分子系統解析とマイクロサテライトマーカーの開発と解析の結果から,本種は九州個体群とそれ以外の個体群に大きくわかれ、本州の個体群ではある程度の遺伝的交流があるものの,九州個体群では遺伝的多様性が低く,個体群の孤立が進んでいると考えられた.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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