研究課題/領域番号 |
19H02983
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 暁信 筑波大学, システム情報系, 教授 (10313016)
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研究分担者 |
原科 幸爾 岩手大学, 農学部, 准教授 (40396411)
福永 真弓 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70509207)
熊倉 永子 国立研究開発法人建築研究所, 環境研究グループ, 主任研究員 (90716135)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 3D CAD / プロシージャルモデリング |
研究実績の概要 |
本研究では,申請者が開発した景観再現手法を用いて津波流出前の集落を精緻に再現することで,生活と場の関係を分析するとともに,場と結び付けられた記憶を被災者の中に蘇らせ,さらに次代へ継承する方法を開発することを目的としている。従前の生活を育んだ「場」が津波によって失われてしまった宮城県岩沼市沿岸部集落と岩手県山田町を対象に,①失われた景観の精緻な再現モデル作成,②再現モデルを用いたヒアリングによる重要な場・景観要素・景色の抽出,場と日常生活の関係解析,③景観形成に活かす知見の取りまとめと再現モデルに記憶の情報を付加した地域資料の作成と活用,の3つに取り組む。本年度はまずプロシージャルモデリングとリアルタイムレンダリング手法を使って失われた景観の再現と精緻化に取り組んだ。対象地区の自治体担当者の協力を得て,現地での写真や文献史料を調査し,景観再現に利用できる情報の収集を行った。さらにオンラインで被災者にヒアリングを行った。そこではモデルを提示しつつ記憶と異なる点をヒアリングした。本取り組みはメディアからの取材を受け,2020年3月には本研究の取り組みやこれまでの再現モデル,その利用可能性について読売新聞の記事で紹介された。またこれまでに得られた意見,情報を使って再現モデルの精緻化作業を継続しつつ,各自治体の復興担当者と再現モデルの活用方法と,特に次代に記憶を継承する方法について議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はモデルの作成を行った上で,現地で被災者に直接ヒアリングを重ねることで研究を進める計画であった。しかしコロナウイルス感染症の拡大に伴い,対象地自治体からの要望があって現地調査の実施ができなくなったため,オンラインでのヒアリングに切り替えることとなった。また高齢者が多いためヒアリング回数を十分に増やすことができず,遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染症の拡大が緩やかになる時期に合わせて,感染予防に配慮しつつ現地でのヒアリング機会を再開し,必要なデータの収集に取り組んでいく計画である。
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