研究課題
・2020年度に実施したCOVID-19パンデミック下の都市の緑地・農地の利用と健康福祉に関するアンケート調査結果をまとめ、国際誌に投稿した。また、2020年からの変化を把握するため、前年度のアンケート調査を踏まえた縦断調査を実施した。・東京都西部の都市農地が比較的多く存在する国分寺市、小平市を軸にして、都市農業固有に見られる「庭先直売」に着目し、その流通形態や利用実態について、詳細な調査を実施した。また、都市農業に関する施策の採用状況について、東京都内の自治体を対象に、その特性を明らかにした。・東京都西東京市の幹線道路(都市計画道路)に囲まれるモデル地区の農住混在空間の物的環境と社会環境に関する調査を行い、今後の土地利用変化について、現状趨勢シナリオ、地区内部農地保全シナリオ、幹線道路沿道農地保全シナリオを検討し、それぞれの長所・短所を比較した。また、土地利用実態と都市計画マスタープラン・地域地区指定の乖離を指摘し、西東京市の都市計画マスタープラン改定における実務的な議論を開始した。・まちづくり団体が都市農業支援を行う先進事例について、柏市と国分寺市の事例を比較分析した。またその内容を東京都「緑農住まちづくりガイドライン」に反映し、実務者へのアウトリーチを行った。
2: おおむね順調に進展している
本研究は他国における先進事例等も踏まえて検討を行うものであったが、昨今の状況から現地調査が困難であるため、昨年度以降国内での調査研究に主眼を置き研究を進めている。今年度は大規模なアンケート調査等のデータ収集やその分析結果の出版なども行うことができ、研究開始当初の予定とは異なるものの、順調に進展している。
・これまでに実施した2つのアンケート調査結果を比較し、その内容を国際誌に投稿する。また、仮想モデル地区における個々の研究成果の統合に向け、都市のレジリエンスを支える緑農住混在空間の意義について、市民利用と健康福祉の観点から論点整理を行う。・欧州の都市農業を対象に、その推進施策や価値の評価方法、市民参加の実態について明らかにする。また、日本の都市農業との国際比較を行うことでその特性を明らかにし、都市農業の新たな価値創造につなげる。・西東京市のモデル地区の農住混在空間とそこにおける暮らし・コミュニティのあり方を、農と都市のレイヤー構造のコンセプトに基づき検討・提案する。提案は、2021年度に立ち上げた西東京市の都市農地保全・創造に関するプラットフォームの産学官民の多様な主体に説明し、その可能性や実現性について意見を頂いた上で、修正する。・東京の遠郊外に位置する自治体として町田市を取り上げ、農と都市のレイヤー構造のコンセプトに基づき、これまでの研究成果を統合する形で、農とみどりを主題とするまちづくりプラットフォームの構築について検討を行う。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
Sustainability
巻: 13(17) ページ: 9817
10.3390/su13179817
ランドスケープ研究
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10.5632/jila.84.575
都市計画論文集
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