研究課題
本研究は、人里への出没や人身事故の増加が社会問題化しているツキノワグマ(以下、クマ)の繁殖パラメータ値を算出し、環境条件(ブナ科堅果の結実豊凶や大量出没等)が繁殖パラメータ値の変化を通じて、個体群動態に及ぼす影響を評価することを目的とする。具体的には、長期に蓄積された学術捕獲個体、駆除個体の歯や生殖器、直接観察記録や、行動情報から、繁殖パラメータ各値を算出するとともに、それらの経年的変化に影響する各環境条件の有無やその程度を検討する。本年は、群馬・栃木県に位置する足尾・日光山地において2003年からクマの学術捕獲・GPSを用いた個体追跡を行っている個体群での、長年の観察情報や捕獲情報から、クマの死亡率の推定を行うとともに人為的要因と自然要因による値の推定を行った。また、長野県では2000年以降の駆除個体の頭骨、群馬県では2008年以降の駆除個体の頭骨、メスの生殖器を回収していることから、これらから解析可能な初めて繁殖成功した年齢(初繁殖成功年齢)及び産子数を推定するとともに、繁殖間隔、繁殖可能年齢についての知見を収集した。また、カメラ付き首輪を成獣のクマ(雌雄4頭)に装着することで、実際の子殺しの様子を観察するとともに、クマの繁殖行動や、繁殖期の行動特性についての知見を得ることができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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