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2020 年度 実績報告書

竹林は地球温暖化を緩和しうるのか?:モウソウチク林の炭素固定量の算定と将来予測

研究課題

研究課題/領域番号 19H02996
研究機関九州大学

研究代表者

久米 朋宣  九州大学, 農学研究院, 准教授 (30816393)

研究分担者 榎木 勉  九州大学, 農学研究院, 准教授 (10305188)
奥村 智憲  地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主査 (20649636)
大橋 瑞江  兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30453153)
市橋 隆自  九州大学, 農学研究院, 准教授 (60594984)
高梨 聡  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90423011)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード孟宗竹 / 炭素循環 / 蒸散
研究実績の概要

竹林の炭素固定量はどれくらいなのか?、それは将来の温暖化に伴ってどれくらい変化しうるのかという疑問に答えることを目標として、1)竹 林における炭素吸収量および放出量の年々変動の測定と変動要因の解明、2)竹林の炭素吸収量および放出量の変動特性を再現する炭素固定量算定モデルの構築、を行う。それにより、そのモデルと広域メッシュ化情報を利用し、広域の竹林の炭素固定量の算定と将来予測を行うことを目指している。
第2年目は、竹林の炭素循環の要素に関する野外調査の継続とデータ整理の段階であったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、野外調査等に大きな制限がかかり、大幅な計画の変更が必須となった。
1年目より実施している福岡及び京都の野外計測項目を、緊急事態宣言に伴う行動制限の合間をぬって実施した。また、1年目にヘリウムショックにより出来なかった炭素安定同位体比の分析を開始した。広域展開のために必要な多地点データ(含む台湾)の取得については、調査を断念し、既往の文献からのサーベイに切り替えた。
2021年3月に京都大学においてワークショップを開催し、これまでに取得された炭素安定同位体比、リター分解速度、稈呼吸速度、根からの滲出物量等の研究項目について各分担者からこれまでの成果を紹介してもらい、今後の展開について協議した。
成果発表としては、国際誌1報(J Hydrol)、学会発表(日本生態学会、日本森林学会)7件があった。計画の大幅な変更し、野外調査の一部や資料収集等、翌年に繰り越す部分があり、若干の遅れがあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、野外調査等に大きな制限がかかり、大幅な計画の変更が必須となったが、1年目より実施している福岡及び京都の野外計測項目については、必要最小限の欠測に抑えることができた。また、1年目にヘリウムショックにより出来なかった炭素安定同位体比の分析を開始した。広域展開のために必要な多地点データ(含む台湾)の取得については、調査を断念したが、既往の文献サーベイに切り替えることで、竹林の炭素吸収機能の一般化を行うことにした。
2021年3月に京都大学においてワークショップを開催し、これまでに取得された炭素安定同位体比、リター分解速度、稈呼吸速度、根からの滲出物量等の研究項目について各分担者からこれまでの成果を紹介してもらい、今後の展開について協議した。また、竹林の炭素循環の年変動の理解に不可欠な、稈齢に伴って変化する蒸散や炭素放出速度や、リター分解特性に関する知見を学会で発表することができた。

今後の研究の推進方策

第3年目では、1・2年目に行っていた現地計測(樹液流計測、リター分解及び稈呼吸速度、根の生産量)を継続する。また、炭素安定同位体比から水利用効率を推定するための葉のサンプリングを継続し、炭素安定同位体比の分析を行う。また、炭素固定量算定モデルのサブモデルである蒸散モデルを完成させる。また、今回構築するシンプルなモデルの比較対象として、詳細なメカニズムを考慮にいれたプロセスベースドモデルを構築する。また、自前の野外調査に基づく広域展開から、既往の文献サーベイに切り替え、竹林の炭素吸収機能の一般化を目指す。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] 国立台湾大学(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立台湾大学
  • [雑誌論文] Modeling of evapotranspiration changes with forest management practices: A genealogical review2020

    • 著者名/発表者名
      Komatsu H、Kume T
    • 雑誌名

      Journal of Hydrology

      巻: 585 ページ: 124835~124835

    • DOI

      10.1016/j.jhydrol.2020.124835

    • 査読あり
  • [学会発表] The role of culm debris and soil biota on leaf litter decomposition in Moso bamboo stands.2020

    • 著者名/発表者名
      Orrego M, A Katayama, M Hasegawa, T Enoki.
    • 学会等名
      日本生態学会 岡山(オンライン)2021年3月
  • [学会発表] Culm age impact on transpiration estimates in a Moso bamboo forest, central Taiwan2020

    • 著者名/発表者名
      Kume T, SJ Lin, IH Chen, Sophie Laplace, WL Liang
    • 学会等名
      日本森林学会, 東京 2021年3月
  • [学会発表] 大気窒素沈着量増加と下層植生衰退に対する樹木蒸散の応答2020

    • 著者名/発表者名
      長野菜穂, 智和正明, 久米朋宣, 内海泰弘, 田代直明, 大槻恭一
    • 学会等名
      日本森林学会, 東京 2021年3月
  • [学会発表] 淡路島の竹林におけるリターの動態の解明2020

    • 著者名/発表者名
      植田多聞, 小林慧人, 久米朋宣, 大橋瑞江
    • 学会等名
      日本森林学会, 東京 2021年3月
  • [学会発表] 根の時空間的動態パターンの推定に必要なスキャナー画像の取得地点数の解析2020

    • 著者名/発表者名
      遠藤いず貴, 久米朋宣, 仲畑了, 片山歩美, 大橋瑞江
    • 学会等名
      日本森林学会, 東京 2021年3月
  • [学会発表] Effects of hillslope position on isoprene emission in an abandoned Moso bamboo (Phyllostachys pubescens) forest2020

    • 著者名/発表者名
      Chang TW, Kume T, Katayama A, Okumura M, Jiao L, Chen S, Kosugi Y
    • 学会等名
      AGU General Meeting 2020 Online
    • 国際学会
  • [学会発表] Comparison of Seasonal Response of Isoprene Emission from Understory Type Bamboo and Canopy Type Bamboo Species2020

    • 著者名/発表者名
      Chang TW, Okumura M, Chang KH, Kume T, Jiao LJ, Chen SY, Xu DK, Liu ZN, Kosugi Y
    • 学会等名
      EGU General Meeting 2020 Online
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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