研究課題/領域番号 |
19H02998
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相場 慎一郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60322319)
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研究分担者 |
北山 兼弘 京都大学, 農学研究科, 教授 (20324684)
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70578864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 森林生態学 |
研究実績の概要 |
本研究は、森林生態系を「植生-土壌系」として気候・土壌と関連づけて分析し、「気候・土壌条件が地上部の光競争を介して針葉樹の優占度を決定する」という仮説の検証を目的とする。本年度は、まず、2019年6月に日本熱帯生態学会でキナバル山の森林動態についての予備的な解析結果を発表した。野外調査では、マレーシア領ボルネオ島のキナバル山の標高700-3100mの異なる地質条件(蛇紋岩と非蛇紋岩)に設定された9個の樹木調査区の再測定を行い、1995年以来の2年間隔24年間の森林動態データを取得した。2019年9月には異動により、研究代表者の所属機関が鹿児島大学から北海道大学に変更となった。2019年11月には、ボルネオ島のマリアウ盆地の低地フタバガキ林と山地ヒース林でも樹木調査区の再調査を行い、土壌栄養条件の評価に重要な細根量調査を行うとともに、落葉分解速度実験を開始した。2019年末ごろから新型コロナウイルス感染症の世界的流行が始まり、ブルネイで実施予定のヒース林調査は断念した。また、2020年3月には日本生態学会での発表を予定していたが、日本でも新型コロナウイルス感染症の流行が始まったため、大会は中止となった。これらの新型コロナウイルス流行による研究実施計画の変更のため、繰越申請を行なった。日本国内では、屋久島の西部低地2箇所と高標高の2調査区の樹木直径再測定を行い、その他も含めた7調査区に設置したデータロガーから気温データを回収した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年末ごろからの新型コロナウイルス流行の開始により一部の調査は延期せざるを得なかったが、繰越申請を行なった。その他の調査については予定どおり実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新型コロナウイルス感染症の世界的流行が収束するかは不透明であるため、日本国内の多様な気候帯における針広混交林・針葉樹林と照葉樹林・落葉広葉樹林を比較する方向で研究を進めていく。
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