研究課題
本研究では、多層構造のニューラルネットワークを用いた機械学習であるディープラーニングを木材の可視・近赤外シームレスハイパースペクトラルデータに適用して、木材の樹種判別を自動で行えるプロトコルを構築し、コグニティブスペクトロスコピーともいうべき新たな認識科学分析手法を確立することを目標としている。2019年度、2020年度には本予算によって測定・解析環境を整備・構築し、これにより森林総合研究所提供の木材標本広葉樹38樹種(120試料)の可視画像および近赤外HSI画像を取得した。2021年度には日本産広葉樹の木口面顕微鏡写真から高精度で樹種判別を可能とするモデルの作成を試みた。この研究により、顕微鏡写真からのバッチ抽出およびトレインデータ・テストデータの選択方法によって樹種判別の推定精度が大きく異なることが明らかとなった。また、これまでに発表されている(CNNにより樹種判別を行った)論文は樹種判別ではなく、個体識別に近いということも示した。また同じくディープラーニングであるU-NETを用いて、木材の応力負荷による細胞壁構造の変化を補足し、これと光伝搬を記述するモンテカルロシミュレーションを組み合わせることで、応力負荷による細胞壁の変形、およびそれにともなう光散乱の変化を把握した。さらに同様の手法を用いることで米の品種判別が可能であることを示した。以上一連の研究によって本手法の木材樹種判別への有効性および限界を確認した。また大目標である「コグニティブスペクトロスコピーともいうべき新たな認識科学分析手法の確立」が大きく前進した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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