本課題では、マサバとゴマサバが同所的な種分離を示すことから、生殖隔離が成立している系群が存在すると推測し、この機構を使うことで全個体不妊となるサバ雑種集団の作出を試みた。日本各地のマサバとゴマサバ各系群の交雑を実施し、完全不妊集団となる系群の組み合わせを見出すことを試みた。しかし、同所的なマサバおよびゴマサバ集団による交雑を試みたものの、完全な不妊集団とならないことが示唆された。この結果から、完全不妊集団を作成するためにはは、系群の組み合わせではなく、個体レベルでの組み合わせに依存することが示唆された。また、若齢時に不妊であっても、成魚時点で配偶子の生産能を回復すること可能性が示唆された。
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