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2021 年度 研究成果報告書

細胞のバリアを攻略する海洋天然物の探索

研究課題

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研究課題/領域番号 19H03040
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分40040:水圏生命科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

酒井 隆一  北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (20265721)

研究分担者 田中 良和  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20374225)
及川 雅人  横浜市立大学, 理学部, 教授 (70273571)
松永 智子  函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (70533412)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード海洋天然物 / タンパク質 / ドラッグデリバリー / 核内移行 / トロンボポエチン受容体 / レクチン / アルカロイド
研究成果の概要

海洋生物の水溶性に含まれる生理活性物質に着目し、生体膜などの生体のバリアを巧みに攻略する化合物やサイトカイン受容体等にユニークな活性を持つ物質を探索した。その結果、細胞に侵入し核内に移行、アポトーシスを誘導して強力な毒性を示す110kDのタンパク質毒素ソリテシジン(SOR)、細胞膜内に侵入するポリアミンに修飾されたペプチドアーキュレイン(ACU)、トロンボポエチン様活性を持つフコース結合性レクチンであるトロンでボコルチシン(ThC)、海綿の細胞内に侵入、ゴルジ体に局在するレクチンRaspL、細胞に侵入して小胞輸送経路をかく乱するKB343等の生理活性物質を得、構造と活性機序に関する知見を得た。

自由記述の分野

水産化学、天然物化学、ケミカルバイオロジー

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、海洋生物の水溶性成分、特にタンパク質成分に極めて興味深い生理活性物質が数多く含まれることを示した。特に、SORは効率的に核内に移行する機能を持つ。この機能の一部を担う構造モチーフを得た成果はドラッグデリバリーへの応用へとつながる。また、トロンボポエチン様の活性を持つレクチンThCの発見はTPO受容体がこれまでにない機構で活性化することを初めて立証したもので、新規の薬物の作用点やガンなどの病態の解明を大きく進展させる学術的重要性の高い成果である。これらのほかにも新規の小分子化合物や細胞侵入タンパク質を見出しており、さらなる知見を得ることで海洋天然物化学の発展に大きく貢献できる。

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公開日: 2023-01-30   更新日: 2024-01-30  

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