研究課題/領域番号 |
19H03065
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小田切 徳美 明治大学, 農学部, 専任教授 (10201998)
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研究分担者 |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 専任教授 (00298415)
嶋田 暁文 九州大学, 法学研究院, 教授 (00380650)
橋口 卓也 明治大学, 農学部, 専任准教授 (40282701)
中塚 雅也 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (40432562)
筒井 一伸 鳥取大学, 地域学部, 教授 (50379616)
立見 淳哉 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (50422762)
図司 直也 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (60442563)
平井 太郎 弘前大学, 大学院地域社会研究科, 准教授 (70573559)
中島 正裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80436675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 田園回帰 / 逆都市化 / なりわい / 農村構造 |
研究実績の概要 |
本研究は以下の3つ視点から、若者を中心とする農山村移住の実態、プロセス、課題を総合的に明らかにする計画である。すなわち、①農山村移住は、どの程度、なぜ、どのようにして発生しているのか(人アプローチ)。②移住者はどのように仕事を確保し、それを通じてどのように地域との関係性を持っているのか(なりわいアプローチ)。③農山村移住が頻発する地域はどのような地域であり、また移住を契機として地域はどのように変わっているのか(コミュニティアプローチ)、加えて、④欧州諸国で以前から持続している田園回帰は、上記の視点からすれば、わが国の実態とどのような異同があるのか、差異があるならばそれを生み出す本質は何か(国際比較アプローチ)。そのために、それぞれのアプローチに対応した研究班を設けて研究活動を進めるとともに、総括班(全員)での情報や認識の共有化を進めてきた。 初年度は、主として研究のフレームワークの確認と強化、そして理論的検討のステージとした上で、特に次の内容を実施した。第1に、全員による研究課題の確認等の研究会を行い、田園回帰をめぐる理論の到達点について集中的に討議し、その意義と今後の課題を明らかにした。第2に、人アプローチ班において、総務省の事業として実施されてきた「地域おこし協力隊」のOB・OG隊員に対する独自アンケート調査を行い、その実態や課題を整理した。第3に、なりわいアプローチ班においては旺盛な現地調査を実施し、移住者による起業・継業の実態と課題を明らかにして、既に研究成果を複数公表した。第4に、国際比較アプローチ班は、欧州における田園回帰研究における第一人者と目される英国の研究者からのヒヤリングを行い、主に欧州における田園回帰の現状、また田園回帰をめぐる最新の研究状況を学んだ。 加えて、各班毎に既往研究の整理やデータ収集を進め、次年次以降の研究に資する基礎的な活動を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた、ほぼ全ての研究活動の内容を実施することができた。特に人アプローチ班の取り組みは順調に進んでおり、総括班(全員参加)による情報の共有化も問題なく進めることができた。他方で、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、令和元年度1~3月期に計画していた国内での共同調査および現地での研究会を中止せざるをえなかったが、文献等による情報収集によりその背影響を最小限にとどめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和2~3年度も計画通りに進める予定である。ただし、新型コロナウイルス感染症蔓延に関する今後の状況次第では、現地調査などの制約を受ける可能性もあり、研究内容の一部変更など、柔軟に対応するつもりである。
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