研究課題/領域番号 |
19H03071
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西田 和弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90554494)
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研究分担者 |
塚口 直史 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40345492)
吉田 修一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90355595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高温登熟障害 / 水管理 / 米の品質 / 温度 / 窒素 / 玄米たんぱく質含有率 / 白未熟粒 / 灌漑水 |
研究実績の概要 |
水稲の登熟期の水管理による米の品質向上(高温登熟障害抑制)効果の解明を目的として、登熟期の水管理が水田の窒素環境および米の窒素状態に与える影響を,灌漑水温・窒素濃度が異なる複数地域での現地調査・試験,その結果に基づく統計分析(重回帰分析)、および、灌漑水の流入・流出に伴う水田内水平方向の熱と窒素の移流の影響を考慮可能な水田の熱・窒素移動予測モデルの作成と、これによる数値シミュレーションにより調べた.その結果,①登熟期の水管理の効果は,水温(稲体温度)低下に伴う直接的効果だけでなく米の窒素状態を介した影響によっても生じること,②米の窒素状態への影響は灌漑水の窒素濃度に大きく依存すること,すなわち,③灌漑水が低窒素濃度条件下では,水温低下は,無機化窒素量の減少等に伴う米の窒素濃度の低下によって米の品質を悪化させる可能性があること,④灌漑水が高窒素濃度条件下では、灌漑水からの窒素供給に伴う水稲の窒素吸収量の増加によって米の品質を向上させる効果があること,が明らかになった. 以上の結果から,登熟期の水管理が米の品質に与える効果は,従来考えられてきた水田の熱環境への影響だけでなく,窒素環境や米の窒素状態への影響を介しても生じることが明らかになった.この効果は、灌漑水の条件(温度・窒素濃度)によって大きく異なるため、最適な水管理法を明らかにするには,これらの条件の考慮が不可欠である.一方で,このような窒素環境への影響は,登熟期だけでなく,水稲の栽培期間全体で生じるものである.今後、米の品質・収量向上のための水管理・肥培管理技術を明らかにするには、栽培期間全体を通しての水管理が、水田の水分・熱・窒素環境に与える影響を解明することが求められる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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