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2020 年度 実績報告書

微生物の電子伝達制御機構を付加する環境傾度型バイオガス生産システム

研究課題

研究課題/領域番号 19H03080
研究機関東京農工大学

研究代表者

東城 清秀  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40155495)

研究分担者 帖佐 直  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10355597)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード環境傾度型バイオガス生産システム / 水素発酵 / メタン発酵 / 発酵廃液の還流 / 加圧熱水処理 / COD / 細菌の優占化 / 水素収率
研究実績の概要

本申請研究は、水素発酵とメタン発酵を新たな概念に基づく環境傾度型発酵槽を利用して連続的に行い、かつ、pH調節に関して電気化学的手法を用いることで化学薬品を使わない環境負荷の小さなバイオガス生産を目的としている。環境傾度型発酵槽は水素発酵とメタン発酵に関わる多様な微生物が共生できるように、連続的に変化する環境条件を人工的に調節して作り出す発酵空間であり、高速なバイオマスの分解と高効率なエネルギー抽出を目指している。
本年度は、最終的なメタン発酵の発酵廃液を一部還流させて、投入する原料バイオマスの希釈に利用するとともに、廃液の菌源から水素発酵に優れた微生物群を優占化させるため、還流発酵液の処理法について検討した。処理法として加圧熱水処理を採用し、原料として酒粕を供試して、温度を130℃、150℃、180℃とし、保持時間を15分~120分と変化させて、加圧熱水条件が原料バイオマスの分解及び水素発酵に及ぼす影響を調べた。原料バイオマスの分解性はCOD変化で示し、CODの変化と水素発生量から、発酵条件を評価した。また、加圧熱水処理による水素生成菌群の優占化については、次世代シーケンサーによる菌叢解析によって評価した。その結果、酒粕では130℃、15分の加圧熱水条件が原料分解と水素生成菌の優占化に適していることを明らかにした。これを基に、水素発酵とメタン発酵を結合させ、メタン発酵の一部発酵廃液を環流させるバイオガス生産システムを構成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

バイオガス生産システムとして水素発酵とメタン発酵の連続プロセスを想定し、メタン発酵の発酵廃液を一部環流させて、原料の希釈を行うとともに、水素発酵に優れた菌群を追加投入する環境傾度型バイオガス生産システムを検討した。今年度は、加圧熱水処理をメタン発酵廃液に施すことで、水素生成に優れた細菌群を優占化できることを示し、メタン発酵廃液の一部を還流させるシステムを構成することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、水素生成に関する実験を継続するとともに、電気化学的手法を導入して水素発酵液のpH低下抑制について検討する。この成果を基に、水素発酵からメタン発酵を連続的に行う環境傾度型バイオガス生産システムを構成し、発酵システムにおける菌群制御アルゴリズムの構築を図る予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Biohydrogen Production Improvement using Hot Compressed Water Pretreatment on Sake Brewery Waste2020

    • 著者名/発表者名
      Miftahul Choiron, Seishu Tojo, Tadashi Chosa
    • 雑誌名

      International Journal of Hydrogen Energy

      巻: 45 ページ: 17220-17232

    • DOI

      10.1016/j.ijhydene.2020.04.199

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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