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2021 年度 研究成果報告書

海洋微生物由来の糖質分解酵素に特徴的なダブル吸着ドメイン構造の1分子機能解析

研究課題

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研究課題/領域番号 19H03094
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分41050:環境農学関連
研究機関静岡大学

研究代表者

中村 彰彦  静岡大学, 農学部, 准教授 (20752968)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードキチン加水分解酵素 / ビブリオ菌 / 1分子計測 / 糖質吸着ドメイン
研究成果の概要

海洋性バクテリア由来のキチン分解酵素は、陸上バクテリア由来の酵素のC末端側に追加の吸着ドメインが付加している。そこでビブリオ菌由来キチン分解酵素の全長と追加ドメインを削除した変異体で生化学的活性を比較したところ、全長酵素はキチンへの高い親和性を示した。1分子蛍光計測で計測した2つの酵素の脱着速度を比較すると、吸着速度定数はほとんど変化がなかったのに対し、全長酵素では非常に長くキチンへの吸着をすることがわかった。また追加の吸着ドメインのみでもキチンへの特異的な吸着が計測できた。2つの吸着ドメインによるキチンへの長い吸着は、酵素の解離拡散を防ぎ、海洋中での反応に有利であると考えられた。

自由記述の分野

生物物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

海中には大量の微細甲殻類が生息しており、その殻としてキチンの年間生産量は14億トンと推計されている。この大量のキチンは海洋性バクテリアによって分解され、海洋中での炭素循環が成り立っている。本研究で海洋中バクテリアに特異的なキチン分解酵素はキチンに吸着する部位を1つ多く持つことで、海洋中でもキチンから離れにくくなり効率的な分解が行えることを明らかにした。この海洋環境での結晶キチン分解システムは、薄い基質濃度化での固体バイオマス分解や海洋環境中に散らばっている微細プラスチック片の分解除去に有用な知見となる。

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公開日: 2023-01-30  

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