研究実績の概要 |
・有機質肥料のうち、家畜ふん堆肥において代表的な牛ふん、豚ふん、鶏ふんを使用した整形堆肥の構成成分を検討した。整形肥料の形態として、アグレット型(球形)、ブリケット型(円錐型)の試作機器を確保したが、まずはブリケット型による検討を進めることとした。 ・肥料製造メーカー、炭化物製造メーカーとの打合せを経て、6種類程度の試作アグレット堆肥を作成することとした。N2Oの排出低減が目標であるので、それぞれの配合比においては、窒素、リン酸、カリそれぞれの含有比率は概ね同等ととし、その他のバイオ炭、ひまし油等の副資材原料の比率を変動させることによって生じるN2O排出係数の違いを、R2年度の前半に、ポット栽培試験に基づいて明らかにすることとした。N2O、メタン、CO2を上記栽培試験の期間中がすさい採取に基づいて計測する。このため、上記3種類ガスの同時測定を迅速に実施する必要がある。これに対応するため、新たに、3成分同時分析装置を整備し、また、東京学芸大学にはオートサンプラー1台を導入して試料注入の自動化を図った。さらに、N2O検出について精度感度向上のための機器調整を複数回行い、S/N比の2倍程度の向上に成功した。 ・上記進捗状況の一部は、2019年11月に開催された東・東南アジア土壌科学会連合大会(台北)および日本土壌肥料学会2019静岡大会(静岡大学)において報告した。 関連する研究成果: 黒ボク土ナシ園における豚糞堆肥を活用した代替施肥による大気圏および水圏への窒素負荷軽減効果、郷内武, 藤田裕, 佐野智人, 大浦典子, 須藤重人, 朝田景, 江口定夫、日本土壌肥料学雑誌 90(5) 363 - 371 2019年10月
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