研究実績の概要 |
混合堆肥複合肥料のうち、家畜ふん堆肥において代表的な牛ふん、豚ふん、鶏ふんを使用した整形堆肥の構成成分を検討した。整形肥料の形態として、ブリケット型(円錐型)の試作機器を活用し、窒素、リン酸、カリの3要素をそろえる形で酸性度(pH)を3通りに変えた試作肥料を作成した。R2年度の前半は、ポット栽培試験に基づいて、上記のpHの異なる試作肥料から排出されるN2Oを観測した。また、神奈川県平塚市の黒ボク土圃場において、上記の試作肥料を施用した土壌において、ホウレンソウの栽培を実施し、肥効を検証した。 上記3種類ガスの同時測定を迅速に実施する必要がある。これに対応するため、GHG3成分同時分析装置の精度向上のため、東京学芸大学にて、分析条件の調整を実施した。N2O検出について精度感度向上のための機器調整を複数回行い、S/N比の2倍程度の向上に成功した。 pH (酸性、中性、アルカリ性)の違いによってN2Oの排出傾向は明瞭に異なった。酸性条件において排出量は低い傾向にあった。一方で、肥効については、ホウレンソウがアルカリを好む傾向があるため、酸性では収量は低くなった。 今後は、上記の知見を踏まえて、好適なpH条件で作物を大まかに分類し、それぞれに適したペレット肥料を作成することが望ましいといえる。 関連する研究成果:①Hiroyuki Hasukawa, Yumi Inoda, Takayuki Takayama, Kunihiko Takehisa, Shigeto Sudo, Hiroko Akiyama, Junta Yanai,Soil Science and Plant Nutrition 1-11 2021年12月31日
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