本研究は、共喰いの分子基盤を明らかにすると共に(実験1・2)、ロボットを用いてヒナの行動を操るシステムを開発することである(実験3)。実験1では、軍鶏の全ゲノムシークエンス情報の集団ゲノム解析により、攻撃行動のパターンを制御する遺伝基盤の探索を行った。実験2では、羽毛つつきの頻度を羽毛スコアにより評価する方法を用いて、商業用ニワトリ集団において羽毛つつきの頻度が異なる集団を発見し、実験1と同様に羽毛つつきを制御する遺伝基盤の探索を行った。実験3では、母子行動の模倣に重要な要素を搭載したロボットを開発し、ニワトリの雛に提示したところ、行動や増体重の変化が生じることが示唆された。
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