研究課題
発酵TMRから分離した乳酸菌の好気的変敗抑制作用を精査するとともに、生菌特異的PCRを応用したアンプリコン解析に取り組んだ。酪農家が実際に使用している発酵TMRから乳酸菌約100株を分離し、菌種を同定して変敗抑制能が未知の乳酸菌5種類(L. formosensis、L. parafarraginis、L. hammesii、L. paralimentarius、L. farciminis)を選抜した。同時に分離されたL. buchneriをポジティブコントールとして用い、好気的変敗を起こしやすいトウモロコシWCSに添加して最大2ヶ月間貯蔵した。開封後、発酵特性を調べるとともに、7日間空気に曝して変敗抑制能を再評価した。細菌叢および真菌叢のデータをαおよびβ多様性解析、ネットワーク解析することで、L. parafarraginisとL. farciminisは、L. buchneriとは異なる機序で変敗を抑制することが明らかとなった。発酵TMRにL. buchneriが優勢しやすいことは分かっていたが、発酵TMRの好気的安定性は、複数種の乳酸菌が相互、相乗的に作用してもたらされると理解された生菌特異的PCRは、細胞膜不透過性のDNA色素PMAを用いて行った。生菌は総細菌数の10%以下であることが多く、これまで得られた微生物叢解析の知見は、生菌特異的解析で大きく修正される可能性がある。申請時には予定していなかった課題であり、現在のところ予備的な知見であるが、取組みを継続して微生物制御の高度化を進める予定である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
Veterinary Sciences
巻: 10 ページ: 226
10.3390/vetsci10030226
Advances of Animal and Veterinary Sciences
巻: 10 ページ: 1525
10.17582/journal.aavs/2022/10.7.1525.1531
Animals
巻: 12 ページ: 2076
10.3390/ani12162076