本研究では、マウス受精卵の発生におけるエピジェネティック修飾の機能解析を行うことを目的とし、標的となる修飾としてH3K20、H3.3R26、H3R2のメチル化について解析を行った。その結果、H3K20のモノメチル化が受精卵のゲノムの安定性に寄与していること、H3.3R26のメチル化が受精卵の細胞分化に寄与していることが明らかとなった。さらに、H3R2のジメチル化酵素であるPrmt6は発生初期にMuERVLとのキメラ転写産物を形成し、発生後期にはキメラ産物を形成しないことが明らかとなった。また、キメラ転写産物から生成されるタンパク質は割球を胎子系列の細胞に分化誘導することが明らかとなった。
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