研究課題
本研究では以下の3つの研究課題に取り組んでいる。以下に令和3年度における各研究の実績を記載する。1)ゲノム編集遺伝子変異の網羅的解析法の確立:マウス受精卵でのゲノム編集ではデザインとは異なる予想外の様々な変異も誘導される。それに加え、マウス受精卵ゲノム編集はモザイク個体の発生も誘起する。すなわち、3つ以上の複雑なオンターゲット変異アレルを有するファウンダーマウスが誕生する可能性がある。ファウンダーマウスが有する変異遺伝型の特定は、その後の系統化やin vivo実験の基盤となるために大変に重要である。しかしながら、従来の手法ではその特定に手間と時間が必要であった。そこで我々はロングリードシークエンス技術をファウンダーマウスの複雑な遺伝型解析に応用した。ロングリードシークエンス技術では、従来の次世代シークエンス技術よりも広い範囲で変異の有無を解析することができるが、解析の正確性が低いことが問題であった。そこで我々は、機械学習にてシークエンスエラーを補正することとした。そして、この補正機能を搭載した解析ソフトウェアであるDAJINを開発した。オンターゲットサイトを含む長鎖PCR産物をDAJINで解析した結果、簡便に各ファウンダーマウスが有する変異を特定することが出来た。その正確性も従来法を超えるものであった。本成果は学術誌に投稿し、現在公開されている。2) 新規Creノックインマウスの作製:前年度に作製した新規Creノックインマウスの特性解析を実施した。期待通りの正確なCre組換えが確認されたが、そのホモ変異体が予想外の表現型を示した。この結果も含め、現在論文を投稿中である。3) 標的遺伝子座への高頻度変異マウス作出法の確立:標的遺伝子座に高頻度に変異を生じさせる能力を持つゲノム編集マウスを新たに4系統作製した。うち2系統にて、期待される異常表現型が観察された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
PLOS Biology
巻: 20 ページ: e3001507
10.1371/journal.pbio.3001507