研究課題/領域番号 |
19H03145
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神沼 修 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (80342921)
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研究分担者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40238019)
堀 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70211547)
杉浦 一充 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70335032)
井上 貴美子 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 専任研究員 (70360500)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 核移植 / T細胞受容体 / マウス |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者らが作出した抗原特異的T細胞由来のクローンマウスの特性を利用したさまざまな個体・細胞を作製する。それらを活用し、TCR-Tgマウスを用いて樹立されてきた種々の免疫学的理論を再検証すると共に、これまで解明できなかった疑問を解決し、各種免疫疾患の解析や新たな病態モデルの作製等に供する。さらに、その有用性を高める各種改変も加えることによって、クローンマウスの多岐にわたる有用性を実証することを目的として実施している。 本年度は、研究計画に準じて各検討を継続した。(1)TCRを介する生体現象の解析においては、抗原特異的TCRαβ鎖の片側鎖のみを発現するだけで、抗原応答性を示すクローンマウス系統を詳細に解析し、抗原応答性獲得機構の一端を解明した。(2)病態解析の応用としては、担当する各分担機関にクローンマウスを導入し、各種検討を推進中。特に、特定のクローンマウス系統が、経口摂取抗原に対して応答性を示すことが明らかになった。本クローンマウス系統が、食物アレルギーの解析に有用であることを見いだした。(3)有用性を高めるクローンマウスの改変においては、抗原/MHCテトラマーでソーティングした細胞由来のクローンマウス作製を継続中。さらに、複数抗原に応答する新たなクローンマウスの作製も開始した。 本研究で得られた成果を元に、免疫学の進歩に大きく貢献する新たなバイオリソースとしてT細胞クローンマウスを世界中の研究者に提供することを通じ、実験動物学の発展に寄与することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題のタイムスケジュールに従い、予定した多くの項目について検討を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しているため、研究計画に従い推進する方針であるが、特に斬新な成果が得られそうな項目が出てきた場合は、その検討に対するエフォートを高める等、選択と集中を行う事も考慮する。
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