本研究では主要な2つの血漿タンパク、アルブミン(Alb)とα1酸性糖タンパク質(Agp1)を欠損するヒト肝キメラマウスを作製することにより、マウス血漿タンパクの影響が低減されたヒト型ADMEモデルの開発をめざした。作製されたAlb/Agp1 double KOヒト肝キメラマウスの肝臓におけるヒト薬物代謝関連遺伝子の発現はヒト肝キメラマウスの肝臓と同等であり、2つの血漿タンパク欠損の影響は限定的と考えられた。このモデルを用いてヒト薬物代謝クリアランス予測を行ったところ、Diazepamではヒト実測値との間に大きな乖離があったものの、KetoprofenとUCN-01ではヒト実測値に近似した。
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