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2021 年度 研究成果報告書

神経RNA顆粒液相-固相平衡の認知機能・疾患への関与

研究課題

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研究課題/領域番号 19H03161
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究

研究代表者

椎名 伸之  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 准教授 (30332175)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードRNA顆粒 / 液-液相分離 / mRNA / 局所的翻訳 / 神経変性疾患 / TDP-43 / FUS / RNG105
研究成果の概要

神経変性疾患の原因遺伝子産物であるTDP-43及びFUSは、神経細胞のRNA顆粒に集積・凝集化することによって疾患を引き起こすと考えられている。本研究では、TDP-43及びFUSのRNA顆粒への集積により、RNA顆粒形成因子RNG105の顆粒における流動性が上昇し、顆粒から細胞質へ離散することを見出した。それに伴い顆粒へのmRNA取り込み量は減少し、顆粒における局所的翻訳も低下することを明らかにした。以上の結果は、TDP-43及びFUSによるRNA顆粒からのRNG105の離散とそれに伴うmRNAの解離及び顆粒内における局所的翻訳の低下が、病態の基盤になるという新しいモデルを導き出した。

自由記述の分野

分子生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

RNA顆粒は、RNA結合タンパク質とmRNAの液-液相分離によって形成され、シナプスへのmRNA輸送と局所的翻訳の制御を介してシナプス長期増強及び長期記憶に必須の役割を担う。このことから、TDP-43及びFUSの凝集化によるRNA顆粒の機能不全が、シナプス形成不全や認知症を伴う神経変性疾患の病態基盤になると考えられており、そのメカニズム解明は喫緊の課題である。本研究は、RNA顆粒形成因子のほとんどがTDP-43及びFUSの影響を受けない反面、RNG105が特異的に顕著な影響を受け、同時にRNA顆粒の機能が低下することを見出した。この成果は神経変性疾患の新たな病態メカニズムを提案するものである。

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公開日: 2023-01-30  

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