脳は1000億以上もの神経細胞が集まっており、それぞれの神経細胞間はシナプスによって接合されている。シナプス形成の異常は、統合失調症や自閉症、難治性てんかんといった神経発達障害の原因となることが知られている。本研究はこれまで解析されていないタンパク質分子複合体であるIIaRPTP-Liprin-α複合体とIIaRPTP-NL3複合体について立体構造を明らかにし、さらに複合体形成の破綻がもたらすシナプス形成不全や高次脳機能(社会性など)の異常との関わりを明らかにした。一連の研究はシナプス形成異常がもたらす神経発達障害のメカニズムの解明につながるものであり、将来の創薬の基盤となることが期待される。
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