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2021 年度 実績報告書

複合体間の動的な相互作用による翻訳制御の構造基盤

研究課題

研究課題/領域番号 19H03172
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

伊藤 拓宏  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70401164)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード生体分子 / 電子顕微鏡 / 翻訳 / 翻訳開始因子 / リボソーム / 統合的ストレス応答
研究実績の概要

統合的ストレス応答ISRに関して、クライオ電子顕微鏡法を用いて、宿主細胞であるヒト由来eIF2Bとシチリア型サシチョウバエ熱ウイルス(SFSV) NSsタンパク質(以下NSsタンパク質)の複合体の構造を解析した。その結果、NSsタンパク質のeIF2Bへの結合部位は、リン酸化eIF2が結合する部位と部分的に重なっていることが判明した。これは、リン酸化eIF2とNSsタンパク質はeIF2Bに同時に結合できないことを示していた。すなわち、NSsタンパク質はリン酸化eIF2がeIF2Bに結合するのを邪魔し、eIF2Bの活性阻害によるストレス応答を防いでいる可能性が示された。生化学的手法により、NSsタンパク質がリン酸化eIF2によるeIF2Bの活性阻害を抑制していることを確認した。その効果は医薬品候補分子であるISRIBよりも高かった。ISR経路において、eIF2Bはストレスの種類に関係なく共通して阻害されるため、eIF2Bを標的とするNSsタンパク質はウイルス感染時に限らず、さまざまなストレスに対する応答を抑制する能力があると考えられる。実際に、薬剤によって小胞体ストレスを引き起こしたところ、NSsタンパク質を発現している細胞では、翻訳の全体的抑制とストレス応答因子の選択的合成という、ISRの二つの主要な効果がともに抑制されていた。また、ラット海馬神経細胞やヒトiPS細胞から作製された運動神経細胞でNSsタンパク質を発現させ、小胞体ストレスに対する影響を調べたところ、どちらの神経細胞でも神経突起の変性などの影響が緩和されることが分かった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Justus-Liebig University(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Justus-Liebig University
  • [雑誌論文] eIF2B-capturing viral protein NSs suppresses the integrated stress response2021

    • 著者名/発表者名
      Kashiwagi Kazuhiro、Shichino Yuichi、Osaki Tatsuya、Sakamoto Ayako、Nishimoto Madoka、Takahashi Mari、Mito Mari、Weber Friedemann、Ikeuchi Yoshiho、Iwasaki Shintaro、Ito Takuhiro
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 12 ページ: 7102

    • DOI

      10.1038/s41467-021-27337-x

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] eIF2B結合性ウイルスタンパク質NSsによる統合的ストレス応答抑制2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤拓宏
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
  • [学会発表] eIF2Bに結合するウイルスタンパク質NSsは統合的ストレス応答を抑制する2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤拓宏
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [備考] 翻訳構造解析研究チーム

    • URL

      https://www.bdr.riken.jp/ja/research/labs/ito-t/index.html

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公開日: 2022-12-28  

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