研究課題/領域番号 |
19H03173
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
玉田 太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, グループリーダー(定常) (50391248)
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研究分担者 |
廣本 武史 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 主幹研究員(定常) (80609884)
栗原 和男 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 上席研究員(定常) (50354890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | タンパク質 / 立体構造 / X線・中性子 / 水素 |
研究実績の概要 |
「化石燃料に代わるクリーンなエネルギーの創生」に関わる酵素(ヒドロゲナーゼ)の機能を真に理解するためには、ヒドロゲナーゼが触媒する「水素の合成・分解」における反応各状態の水素原子を直接観測することが必須である。本申請研究では水素原子の直接観察に長けたプローブである「中性子」を中核に据え、X線を相補的に組み合わせた構造解析からヒドロゲナーゼ触媒サイクルにおける活性状態(還元型)の全原子構造情報を高精度に取得することを目的としている。 本年度は酸化型結晶をD2ガスで還元した大型結晶の中性子回折データ収集を国内のパルス中性子源J-PARCにおいて実施し、2.0Åを上回る分解能で処理した。引き続き、放射光施設(高エネ機構のPhoton Factory)において、中性子回折データを収集した同一結晶から1.0Åを上回る高い分解能でX線回折データを収集するとともに、異常分散効果を考慮したデータ収集・解析を実施した。その結果、酸化型で確認されていた活性中心からのNi原子の欠落はなく、還元型になっていることを確認できた。現在、中性子とX線を相補的に組み合わせた構造精密化を実施中である。 また、過年度に実施した還元型結晶の嫌気環境下での凍結法の定量的評価をまとめた結果を国際誌(Acta Crystallogr. D誌)に、大型結晶作製法も含めた酸化型および還元型の予備的中性子回折実験の結果を別の国際誌(Topics in Catalysis誌)にそれぞれ投稿し、採択・掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
還元型の中性子回折データの収集に成功し、構造解析にめどをつけることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
D2還元型の中性子構造解析を完了し、先行研究で取得したH2還元型の中性子構造との比較により、プロトン輸送経路を同定する。
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