細菌感染症対策の主流である抗菌剤に対して多剤耐性菌の出現により治療困難な感染症が増加しているなか、抗菌剤に代わる新たな治療薬開発が求められている。WHOの調査によれば、数十年後には細菌感染者数の死者数が癌による死者数を上回ると予想されており、抗菌剤に代わる新たな治療薬の開発が急務となっている。細菌感染症に直接関与するべん毛は病原性細菌の生育にとっては必須でないことから、本研究で解明したFlhACの作用機序を直接ターゲットにした効率的な創薬スクリーニングが可能となり、社会的にも大きな課題となっている新興細菌感染症を制御する新技術の開発に直結すると期待できる。
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