研究課題
引き続きGタンパク質共役受容体(GPCR)の活性化から、GPCRとの結合によるGタンパク質活性化に至るメカニズムの研究に取り組んだ。具体的には、既に開始しているGPCRであるA2Aアデノシン受容体にNECAとαβγの3つのサブユニットからなるフルGタンパク質が結合した複合体の研究を進めた。Gsに加えて、昨年度から計算を開始したGoなど、異なるGタンパク質のMD計算も行った。これまでにGタンパク質にGDPが結合しているか、何も結合してないかによって構造のダイナミクスにどのような違いが表れるかを最先端のPaCS-MDシミュレーションで調べ始めていたが、今年度はさらに統計量を加えて自由エネルギー地形を計算することができた。その結果、GoとGsでA2Aアデノシン受容体との相互作用に有意な違いが見られたほか、ヌクレオチドが結合していない状態でGタンパク質のαサブユニットの立体構造にMD計算で大きな構造変化が見られた。この構造変化が妥当かどうかを更に詳しく調べるために、rmsdPaCS-MDによってGタンパク質の大きな構造変化をシミュレートし、更に得られたトラジェクトリをMSMによって解析し、自由エネルギー地形の分析によって、MD計算で得られた構造変化が妥当であることを示した。現在これらの結果をトロント大学プロッサー教授のNMRの結果、理研スリオカ研究員のモンテカルロ計算の結果と統合して、論文執筆を進めている。更にアゴニストやアンタゴニストがA2Aアデノシン受容体から解離する過程の解離速度定数についても計算し、実験値との比較を行い、論文の準備を進めている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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