研究課題
基盤研究(B)
本研究では、アデノシンによって活性化されるGタンパク質共役受容体であるヒトA2Aアデノシン受容体(A2AR)を研究対象とし、様々なリガンドが結合したときのダイナミクスの違いを調べ、結合親和性を予測する計算法を開発した。また、A2ARにリガンド(NECA)と3つのサブユニットから構成されるフルGタンパク質(GsとGo)が結合した活性化状態の最先端分子シミュレーションを行い、構造のダイナミクスにどのような違いが表れるかを明らかにすることができた。
生物物理学
A2ARにリガンド(NECA)とGタンパク質GsとGoが結合した活性化状態の構造を用いてその状態の立体構造モデルを構築し、構造のダイナミクスにどのような違いがあるか明らかにすることができた。この研究は国際共同研究に進展し、A2ARのリガンド結合部位からGタンパク質へ長距離の情報伝達経路を特定でき、またA2ARには、少なくとも2つの不活性状態と3つの活性状態が同時に存在しており、その共存比率がリガンドの結合やGタンパク質の活性化状態に依存して変化することがわかった。