ヒトのセントロメア領域の多型を解析した。ヒト染色体におけるセントロメア領域は、アルファサテライトと言われる171bpの反復配列と、その両側にペリセントロメリック領域という過去に機能していたと思われるアルファサテライトの残骸が蓄積している領域からなる。我々は、前者の機能的な領域の個体間変異に注目して解析した。その結果、アルファサテライトのコピー数だけでなく、その塩基配列にも相当な量の種内変異があることがわかった。特に、物理的に近くのアルファサテライトは、より配列的に近いことが明らかになった。遺伝子変換、不等交叉と自然選択の相互作用がこのパターンをかたち作っていることが示唆された。
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