研究課題/領域番号 |
19H03209
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌谷 洋一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00720880)
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研究分担者 |
大村 浩一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40432372)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ゲノム解析 / 体細胞ゲノム / ANCA関連血管炎 |
研究実績の概要 |
今年度はWattsの診断基準を満たすMPO-ANCA陽性の顕微鏡的多発血管炎の26症例の研究参加を得た。そのうち22例については、全血からNovaSeq6000を用いたPCRフリーの全ゲノムシークエンス実験を行った。得られたショートリード配列について、hs37d5参照ゲノム配列へのマッピングを行なったところ、マッピング率は99.7±0.04%であった。また、平均深度は17.5±2.3xと、目標値(15x)を達成した。15x以上のカバー率は67.4±11.1%、10x以上のカバー率は90.4±3.18%、5x以上のカバー率は97.2±0.439%、ミスマッチ率は0.437±0.0219%、ストランドバイアスは0.502±0.000313、アダプタ率は平均0%と、良好なデータを得ている。現在はGATK Best Practiceに基づくバリアントコールを実行中である。また、次世代シーケンサーのショートリードデータからHLAアレルをタイピングできるHLA-HDアルゴリズムにより、同じデータからHLAアレルの測定を行い、22名についてHLA 6遺伝子ジェノタイプを取得した。すでに知られているMPO-ANCA陽性のANCA関連血管炎の感受性アレルを想定通り観察している。
ソーティングによりターゲットを絞った細胞集団の解析については、引き続き実験条件の検討を行なっている。
解析パイプラインについては、全ゲノムシークエンスについてはBWAプログラムを用いたマッピングをはじめとするGATK Best Practiceによるパイプラインを策定し実行している。その一方、体細胞シークエンスについては策定作業を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定した通り、初年度に目標としていた全血のシークエンス実験を順調に進めることができた。
また、ターゲットとする細胞集団を絞るためのソーティング実験の条件検討も予定通り進めている。
解析パイプラインについては、生成されるデータに対して遅れることなく策定ができており、実行中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、初年度に得た22例の全ゲノムシークエンスデータのデータ解析を行う。
また、実際の体細胞変異の同定に向けて、ソーティング実験、並びに体細胞変異同定のためのシークエンス実験へと進めていく。同時に体細胞変異を測定するためのパイプラインを策定していく。
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