研究実績の概要 |
プロジェクトの初年度は、薬剤依存的相互作用の検出系の開発と中規模スクリーニングを行い、系の改良点を明確にし、次年度の大規模スクリーニングに向けた系のブラッシュアップを行った。 I.薬剤依存的に相互作用するタンパク質検出系の開発と中規模スクリーニング 1) AlphaScreenによるCRBN-サリドマイド-基質タンパク質の相互作用検出 CRBN-サリドマイドの基質としてイカロス(IKZF1)が知られている。そこで、AlphaScreenによるサリドマイド依存的にCRBN-サリドマイド-IKZF1の相互作用検出系の構築に成功した。これにより薬剤依存的なタンパク質-タンパク質の相互作用の大規模スクリーニングが可能となった。 2) DCAF15ーE7820-基質タンパク質の相互作用検出 DCAF15-E7820の基質としてRBM39が知られている。上記1)と同様にAlphaScreenによりE7820依存的なDCAF15とRBM39の相互作用の検出を試みたところ、上記1)と同様に、E7820依存的DCAF15-RBM39相互作用を検出することができた。 3) ヒト転写因子プロテインアレイを用いたCRBN-サリドマイド基質のスクリーニング 最初のプロテインアレイとして、多数のZnフィンガー型転写因子を含む1,200種類からなるヒト転写因子プロテインアレイを用いてスクリーニングを行った。その結果、新規なネオ基質を見出す事に成功した。現在、細胞での解析を進めている。 4) ヒトシグナル伝達プロテインアレイを用いたDCAF15-E7820基質のスクリーニング 4,300種からなるプロテインアレイを用いて、E7820存在下でのDCAF15と相互作用するタンパク質のスクリーニング行った。30種程度の候補基質を見出した。現在、薬剤依存性の確認を行っている。
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