本研究は、上皮細胞の細胞膜構造形成に関わる脂質、スフィンゴミエリンの細胞内輸送を制御する分子機構の解明に関する内容である。スフィンゴミエリンに特異的に結合するシマミミズ由来タンパク質であるLyseninを改変して、アピカル膜へのスフィンゴミエリンの輸送過程を可視化するためのプローブを作出した。このプローブを安定発現する細胞に対して、阻害剤ライブラリーのスクリーニングを行った結果、mTORC2経路がスフィンゴミエリンの細胞内輸送過程を制御することを見出した。さらにmTORC2経路の下流において低分子量Gタンパク質Rab35が活性化し、スフィンゴミエリンの輸送を促進することを見出した。
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