現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスbeta1, beta3, beta7のインテグリン遺伝子をCrspr/Cas9法によって変異を導入し、これらの遺伝子が発現しない状態で測定することによって初めてtalin1, kindlin3のLFA-1の特異的結合動態を測定することができたことから、本課題の実施基盤が確立された。また、talin1とkindlin3の結合動態の違いが初めて明らかになり、talin1が基本的にICAM-1の結合動態を決定していること、kindlin3の一過性結合によってインテグリンが活性化されることが一分子計測によって初めて示されたことの意義は大きい。また刺激があってもICAM-1がない状態ではtalin1, kindlin3の結合レベルが低いことから、ICAM-1結合による細胞内へのシグナル(outside-inシグナル)の重要性が示唆され、今後の解明ポイントが明確になった。方法的には、樹立した細胞を用いて複数のターゲットとシングルセルソーティングを組合せCrspr/Cas9による遺伝子変異を効率よく導入できることが可能になったことから、インテグリン活性化に関与するとされる分子群をtalin1, kindlin3の動態への効果として評価することが迅速に可能となった。
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