マメ科植物は窒素栄養が十分量存在する環境では根粒共生を抑制することで共生にともなう炭素源の不要な損失を防いでいることが知られているが、その分子基盤は不明な点が多い。本研究課題では、マメ科モデル植物ミヤコグサを用いて2つのNLP転写因子(LjNLP1/4)と硝酸イオン輸送体LjNRT2.1を介したシグナル伝達経路が硝酸に応答した根粒形成抑制において中枢的な機能を担うことを明らかにした。また、窒素に応答して機能するペプチド因子を同定し、このペプチド因子が根粒共生の成立に必須な機能をもつことを明らかにした。これらの知見により、植物の窒素栄養環境への適応機構の理解が深まった。
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