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2021 年度 実績報告書

植物の上下軸の決定と上下軸に沿ったパターン形成を担う分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19H03243
研究機関東北大学

研究代表者

植田 美那子  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20598726)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード植物受精卵 / ライブイメージング
研究実績の概要

受精から始まる胚の体軸形成は、個体発生の原点である。しかし植物では、受精卵や初期胚が体軸形成を行う過程において、細胞内でどのような変化が起こるのか、また、それらがどのような遺伝子によって制御されるのか、ほとんど分かっていなかった。その理由としては、被子植物の花の奥深くに存在する受精卵や胚を生きたまま観察する手法がなかったことと、従来の遺伝学的スクリーニングは、致死性や冗長性のために鍵遺伝子を見出すには不充分だった点が挙げられる。そんななか、研究代表者らはシロイヌナズナを用いて、細胞内動態の詳細なライブイメージングを進めた。特に、精細胞と卵細胞の融合点と受精卵の成長方向と一致するかを調べるために、まず精細胞の最外層を高輝度に蛍光標識するマーカー株を作出した(Shiba et. al., 2023)。この精細胞マーカーと卵細胞の細胞膜を標識した株を掛け合わせ、受精後の動態を詳細にライブイメージングした結果、精細胞と卵細胞が融合した部位に精細胞膜の残骸が持続的に観察され、精細胞侵入点の位置を追跡可能であることが判明した。この点を画像解析によって詳細にトラッキングした結果、受精卵の細胞成長点と一致することが判明した。このことから、受精卵は精細胞侵入点である細胞上部に向けて伸長する「先端成長」という様式で極性化することが明らかとなった(Kang et. al., 2023)。加えて、受精卵のライブイメージング系を用いて化合物スクリーニングを行った結果、微小管の配向変化を乱すことで核の分裂を阻害する薬剤や、細胞板の形成不全を引き起こすことで細胞質分裂を阻害する薬剤を得た。これら薬剤の標的候補も探索した結果、キネシンなどの細胞骨格制御因子を見出した(Kimata et. al., 2023)。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Wageningen University(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      Wageningen University
  • [雑誌論文] Coordinate Normalization of Live-Cell Imaging Data Reveals Growth Dynamics of the <i>Arabidopsis</i> Zygote2023

    • 著者名/発表者名
      Kang Zichen、Matsumoto Hikari、Nonoyama Tomonobu、Nakagawa Sakumi、Ishimoto Yukitaka、Tsugawa Satoru、Ueda Minako
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/pcp/pcad020

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel inhibitors of microtubule organization and phragmoplast formation in diverse plant species2023

    • 著者名/発表者名
      Kimata Yusuke、Yamada Mo?、Murata Takashi、Kuwata Keiko、Sato Ayato、Suzuki Takamasa、Kurihara Daisuke、Hasebe Mitsuyasu、Higashiyama Tetsuya、Ueda Minako
    • 雑誌名

      Life Science Alliance

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.26508/lsa.202201657

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Behavior of Male Gamete Fusogen GCS1/HAP2 and the Regulation in Arabidopsis Double Fertilization2023

    • 著者名/発表者名
      Shiba Yuka、Takahashi Taro、Ohashi Yukino、Ueda Minako、Mimuro Amane、Sugimoto Jin、Noguchi Yuka、Igawa Tomoko
    • 雑誌名

      Biomolecules

      巻: 13 ページ: 208~208

    • DOI

      10.3390/biom13020208

    • 査読あり
  • [学会発表] Live-cell imaging of body axis formation in plant embryos.2022

    • 著者名/発表者名
      Ueda M.
    • 学会等名
      Japan-Singapore Joint Meeting 2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 東北大学生命科学研究科植物細胞動態分野

    • URL

      http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/PlantCellDyn/

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公開日: 2023-12-25  

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