| 研究実績の概要 |
本研究では、果実の質向上および、病害耐性や収量向上などの多面的有用形質の分子育種戦略モデルを創生するとともに、栽培種トマトに対して有用形質付加育種を行うための、即戦力遺伝子群を、種間交雑可能な野生種トマト群から特定することを目的としている。2020年度は、本研究項目の一つである、「栽培品種と種間交雑可能な野生種トマトの植物種レベルでの物質生合成能の全体像を捕捉」の研究成果において、学会発表および国際科学雑誌 (Tohge et al, 2020, Mol Plant)で発表しコメントも公表した (Tohge et al, 2020, Mol Plant)。また、有用代謝物産生に関わる新機能分化領域の特定について、トマト栽培種と野生種の交配ラインの代謝解析により、複数の代謝多型ゲノム領域を特定した (Alseekh et al, 2020, Plant J)。また、他のナス科植物作物種や穀物種などの代謝多様性比較に関する解析の成果 (Zhan et al, 2020, Nat Plants; McQuinn et al, 2020, Plant Biotechnol J; Calumpang et al, 2020, Metabolites; Ferrari et al, 2020, Plant Cell; Front Plant Sci; Liu et al, 2021, Front Plant Sci) を発表した。また、有用物質代謝の産生制御に関わる鍵遺伝子特定の解析を構築し、成果 (Tohge & Fernie, 2020, Plants; Naake et al, 2020, Plant Physiol; Aneklaphakij et al, 2021) を発表した。2020年度解析したトマト野生種の特定器官やナス科果実の結果について、成果発表の準備を行っている。
|
