研究実績の概要 |
プラナリア核内受容体Dr-NHR1の脂溶性リガンドを同定することを目指し、無性個体と有性個体との間でメタボローム解析を行ない、有性個体に有意に多く含まれている脂溶性化合物を候補因子として7種絞りこんだ(Abietic acid, Arachidic acid, Behenic acid, Dehydroisoandrosterone, Erucic acid, Sitosterol, Tricosanoic acid)。Dehydroisoandrosteroneはテストステロンの前駆物質、Sitosterolはエクジソステロイドの前駆物質である。テストステロンとエクジソステロイドはメタボローム解析では検出されなかったが、脂溶性リガンドとして有力な候補物質と判断した。また、メタボローム解析において対象外化合物であったレチノイン酸も核内受容体のリガンドとして働くことが知られており、候補物質とした。 プラナリア脂溶性リガンドを同定するために、Dr-NHR1の発現を上昇させた個体に候補物質を投与することで有性化が促進されることでの検定することを考えた。当初、研究代表者が有性化因子のひとつとして同定していたキサントシンを用いて、Dr-NHR1発現上昇を促すことを考えていたが、安定した系とならなかったので、有性化因子粗精製画分Fr. M0M10を用いる系を確立した。 寄生生扁形動物カンテツにもプラナリア核内受容体Dr-NHR1のオーソログが存在し、同様の仕組みが働いているかを検証するために、カンテツでの核内受容体Dr-NHR1ホモログを探索した。その結果、候補遺伝子を2つ同定することができた。
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