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2022 年度 実績報告書

動物変態の進行を協調的に制御する神経伝達・ホルモン調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H03262
研究機関筑波大学

研究代表者

笹倉 靖徳  筑波大学, 生命環境系, 教授 (10400649)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードホヤ / 変態 / GABA / Gタンパク質 / Gs / Gq / Gi / DAG
研究実績の概要

2022年度には固着器官で変態開始時に活性化されるGタンパク質シグナル経路の仮説を裏付ける実験を実施した。GABAが変態開始因子であることから、代謝型GABA受容体と共役するGi経路がGq-Gs経路の上位に位置している可能性が浮上し、検証した結果、確かにGi経路が関わっていることを明らかにした。Gi経路はbeta/gammaサブユニットを介してPLCbetaの活性化を担うこと、GIRKチャネルを活性化して変態を負に制御している可能性についても明らかにした。これまでの結果を総合し、ホヤの変態はGABAの下流でGi-Gq-Gsタンパク質が連続的に活性化され、最終的にcAMPの上昇が引き起こされることがトリガーとなるという経路図を得た。ホヤ幼生は固着器官で物体に固着することによって変態を開始するが、固着後直ちに変態はせず、数十分の持続的な固着が必要であることを我々は以前明らかにしていたが、この経路図、特に抑制性の側面があるGABAの関与はこの時間間隔が設けられる仕組みを説明できるものである。
本年度の大きな成果は、ジアシルグリセロール (DAG)の変態への関与を明らかにしたことである。変態開始に必要な酵素PLCbetaはIP3と共にDAGも産生することから、ホヤ幼生にDAGのアナログ分子を投与したところ、変態が誘導された。DAGのターゲットとして、固着器官で発現する新規の構造を持ったタンパク質をコードしている遺伝子を同定した。この遺伝子はホヤの属する尾索動物にのみ認められることから、この新規遺伝子の獲得が尾索動物の変態の進化を促す役割を担っていた可能性がある。
甲状腺ホルモン関係では、TPOの間充織での新しい発現の同定、間充織と内柱の両方からのシグナルが変態時の細胞増殖誘導に必要であることを解明した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Swarthmore University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Swarthmore University
  • [国際共同研究] Sorbonne University(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Sorbonne University
  • [雑誌論文] Improved Genome Editing in the Ascidian Ciona with CRISPR/Cas9 and TALEN2023

    • 著者名/発表者名
      Sasakura Yasunori、Horie Takeo
    • 雑誌名

      Methods Mol Bio

      巻: 2637 ページ: 375~388

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-3016-7_28

  • [雑誌論文] The TRP channel PKD2 is involved in sensing the mechanical stimulus of adhesion for initiating metamorphosis in the chordate Ciona2022

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto Aya、Hozumi Akiko、Shiraishi Akira、Satake Honoo、Horie Takeo、Sasakura Yasunori
    • 雑誌名

      Development, Growth & Differentiation

      巻: 64 ページ: 395~408

    • DOI

      10.1111/dgd.12801

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differentiation of endostyle cells by Nkx2-1 and FoxE in the ascidian Ciona intestinalis type A: insights into shared gene regulation in glandular- and thyroid-equivalent elements of the chordate endostyle2022

    • 著者名/発表者名
      Yamagishi Masayuki、Huang Taoruo、Hozumi Akiko、Onuma Takeshi A.、Sasakura Yasunori、Ogasawara Michio
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research

      巻: 390 ページ: 189~205

    • DOI

      10.1007/s00441-022-03679-w

    • 査読あり
  • [学会発表] G-protein signaling relay promotes Ciona metamorphosis2022

    • 著者名/発表者名
      笹倉靖徳
    • 学会等名
      11th Tunicate Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] ホヤの固着依存的な変態開始を司るGタンパク質シグナル経路2022

    • 著者名/発表者名
      笹倉靖徳、小野寺新
    • 学会等名
      日本分子生物学会第45回大会

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公開日: 2023-12-25  

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