研究課題/領域番号 |
19H03278
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉澤 和徳 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (10322843)
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研究分担者 |
山田 量崇 徳島県立博物館, その他部局等, 学芸係長 (20463474)
塘 忠顕 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80282250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 半翅系昆虫 / チャタテムシ / シラミ / アザミウマ / 半翅類 / 系統 / 形態 / 進化 |
研究実績の概要 |
国内数カ所でサンプル収集を行うと同時に,過去に収集したデータの解析も進めた.具体的には,マイクロCTデータを用いたチャタテムシの頭部,胸部,交尾器構造,シラミの脚の構造,半翅類の胸部構造,アザミウマの胸部構造の解析を進めている.サブプロジェクトの最初の成果として,チャタテムシ科ムツテンチャタテ属 Trichadenotecnum の交尾器の詳細な機能形態解析の論文を,Journal of Morphology 誌で出版した. また,ドレスデンで開催された昆虫系統学に関する国際学会で情報収集,交換を行うとともに,そののちジュネーブ自然史博物館を訪問し,共同研究の打ち合わせを行った.これらを通していくつかの具体的な国際共同プロジェクトがスタートし,現在進行中である.具体的には,ミャンマー産琥珀を用いたチャタテムシの化石研究(ドイツ,スイスとの共同研究:これに関しては第一弾の成果がすでに印刷中である),科レベルで位置づけが不明確なチャタテムシの分子および形態データに基づく系統的位置づけ(スイスとの共同研究),チャタテムシの脚構造の比較形態学(ドイツとの共同研究)が挙げられる. これらに加え,米国との半翅系昆虫のゲノム系統プロジェクトが継続進行中である. 中国研究者との化石昆虫の共同研究のスタートも予定していたが,新型コロナの影響で中国側研究者の北海道大学訪問が現段階では不可能となっており,プロじぇっくと開始を遅らせざるを得なかった点が唯一想定外であった.この共同研究は,当初計画では予定されていなかったものであり,研究の進展には大きな問題は無い.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定通りに進行しており,順調に成果も上がっている.新型コロナにより,新規プロジェクトのスタートが遅れているが,このこのプロジェクトがスタートしていれば,当初の計画以上の成果(区分1)を上げることができていた事が期待される.
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今後の研究の推進方策 |
上記の通りほぼ予定通り研究は進展している.今年度は国内外でのフィールド調査を予定しているが,新型コロナの影響もあり,予定通りに進まない恐れもある.その場合は,予定した調査とそれらのサンプルから得られる予定だったデータの解析を翌年度以降に延期せざるを得ないが,これまでに得られたデータを元に,精力的に研究を発展させ,また成果を報告していく予定である.
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