研究課題/領域番号 |
19H03285
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
丸山 宗利 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (80512186)
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研究分担者 |
小松 貴 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 協力研究員 (30722011)
金尾 太輔 沖縄科学技術大学院大学, 進化ゲノミクスユニット, 研究員 (40758421)
岡本 朋子 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50588150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マレーシア / ミャンマー / サスライアリ / シロアリ |
研究実績の概要 |
本年度はサスライアリと共生するハネカクシの調査を目的として、カメルーンで調査を行う予定であったが、調査予定地(カメルーン西部)の治安の悪化によることと、研究チームの個人的な事情により、危険性のある地域での調査を控えざるをえなかった。その代わり、カメルーンでの調査計画の現地のとの話し合いを進展させるとともに、野外調査に関しては、ミャンマーとマレーシアにおいて、サスライアリを調査を実施することができた。 ミャンマーは2019年6月に環境林業局との共同調査を行った。まったくの未調査の地域であり、これまでに行っていた調査法が生かせなかったこと、雨季による連日連夜の雨で十分な調査時間がとれなかったこともあり、残念ながらハネカクシを見つけることができなかった。しかしサスライアリを探すために、サスライアリの餌原となっているシロアリの塚を調査し、いくつかの新種の昆虫を採集することができた。 マレーシアでは2020年2月に国立マラヤ大学との共同調査を行った。クアラルンプール郊外のUlu Gombakという地域で行い、過去にも採集された実績はあったが、今回、DNA抽出に活用できる新鮮な標本を多数採集することができ、まずまずの成果を得ることができた。 その他、電子顕微鏡を購入し、すでに研究材料のある標本に関して、それらの精密な観察を進めた。さらに、九州大学にあるMicroCTによる形態観察、DNAの抽出や化学成分分析の予備的実験等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は主要な調査地であるアフリカで調査を行うことができず、その点で大きな成果を得ることはできなかった。ただ、カメルーン現地からの標本を少し送ってもらうことができたほか、マレーシアで新鮮な標本を得ることができたので、その点では成果があったといえる。また電子顕微鏡による観察や、MicroCTという技法を取り入れて形態観察を行うことができ、大きな進捗はないが、比較的順調な進展といえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究上、もっとも重要なハネカクシを採集するため、過去の多種の記録があるカメルーンでの調査を重点的に行いたいと考えている。そのため現地のブエア大学とMOU締結に向けた共同学術調査の話しあいも進んでいる、 そして得られたハネカクシを研究材料に、行動観察、DNA抽出とシーケンス、化学分析等を進める予定である。
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