研究課題/領域番号 |
19H03291
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
宮 正樹 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (30250137)
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研究分担者 |
潮 雅之 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (40722814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 環境DNA / メタバーコーディング / MiFish法 / 時系列解析 / 魚類群集 / 種間関係 / モニタリング / 生物多様性 |
研究成果の概要 |
環境DNAを用いて魚類群集構造の変動様式と形成・維持機構を解明するために,房総半島南部の岩礁海岸に設けた11測点で2年間にわたって計50回の採水を行った。計550サンプルを用い,MiFish法によるメタバーコーディング解析を行うと共に,得られた時系列データに基づき各種の多様性分析を行った。その結果,計856種の魚類が検出され,魚類群集構造は暖流/寒流や外洋/内湾の影響を受けた空間変動を示すとともに,季節的な時間変動を示すことが明らかになった。また,検出頻度が高かった優占種50種間の相互作用強度を最新の手法で分析したところ,種間強度にはさまざまな温度依存性が認められた。
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自由記述の分野 |
分子生態学・分子系統進化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,近年発展が著しい環境DNA分析に最先端の時系列解析法を適用することによって,生物間の関係性に新たに焦点を当てることに成功した。すなわち,これまでの環境DNA研究で得られる情報は「何がどこにいるか」だけだったのが,本研究の手法を使えば「何と何がどれくらいの強さで関係しているか」まで推定できるようになったことを意味する。さらに,魚類群集における種間関係強度の温度依存性の存在を実証できたことは,全世界的に大きな問題となっている地球温暖化が,魚類群集のような複雑系に何らかの影響を与えることをも示唆している。環境DNAを用いた生物多様性モニタリングを継続していく意義を高めたと言ってもよい。
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