今回の研究は、現在利用されている個体群予測のモデルや手法が、個体履歴の影響を正確に考慮していないことを明確に示している。この結果は、個体群生態学者に、標準的なマトリックスモデル手法から、個体履歴を考慮することで生じる長期的なトレードオフや関連現象を組み込んだ大規模マトリックス手法への移行を促すものである。このことがもたらす潜在的な影響の1つは、人間の人口規模を予測するために用いられる手法の見直しである。現在の人口予測はばらつきが大きすぎて使い物にならないが、我々のアプローチは、予測を意味のあるものに絞り込むのに役立つかもしれない。
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