研究課題
スパイラル膜ろ過において30kDaろ過膜を用い、4000倍を超える濃縮係数での有機物を回収した。また、同システムにおいてNF膜を用い、原水DOCの91%のDOMを回収した。同様に、RO膜を用いたスパイラル膜ろ過も実施し、原水DOCの92%のDOMを回収し、NF膜による分画濃縮の有効性を確認した。有機物長期分解実験を継続し、琵琶湖深水層湖水を毎月採取した。これらの試料の分析結果から、琵琶湖におけるDOCの生分解速度を、分子サイズ別DOC濃度、分子サイズ別タンパク様蛍光強度、水温から算出するための換算式を作成し、湖水中における準易分解性DOCの生産フラックスと総分解フラックスの変動を、高分子と低分子それぞれについて算出するための手法を新たに考案した。琵琶湖の細菌群集の炭素基質利用特性および多機能性の定量化と、表層・深層間でのそれらの違いおよび季節的変動について解析を行い、琵琶湖を対象とした鉛直一次元の反応-拡散-移流モデルを作成した。その結果、易分解から準易分解性の DOCへと転換・蓄積が生じる深度は季節的に変動し、準易分解性DOCを利用する細菌グループの分布が変化することを発見した。長期培養実験では、細菌群集組成解析を実施した。琵琶湖沖に生息する細菌群集の高品質ゲノムカタログを作成し、深水層に生息する主要な細菌系統についても詳細なゲノム情報を得た。また、リードマッピング解析によるゲノムの微小多様性の解析を行った。さらに、これらのゲノムカタログにメタトランスクリプトーム解析で得られた転写産物由来のリードをマッピングした。2021年度は当初実施予定であったCARD-FISHに変わり、近年新たに提案されたHCR-FISHの適用を試みた。本研究の対象であるCL500-11のプローブを作成し、すでに条件が確立されているCARD-FISHの条件をもとに条件検討を実施した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Applied Phycology
巻: 33 ページ: 3709-3717
10.1007/s10811-021-02571-4