研究課題
ヒトらしさをつかさどるヒト特異的脳細胞を同定するために,ヒトと類人猿の死後脳を用いたシングルセル比較トランスクリプトーム解析を行うことを目的とした.ヒトや類人猿は実験動物ではないため,新鮮な脳試料を入手することが難しい.そのため,シングルセルスランスクリプトーム解析に通常用いられる生細胞ではなく,凍結試料でも使用が可能であると考えられている細胞核を用いたシングルセル(核)スランスクリプトーム解析の実験プロトコル・解析パイプラインを構築する必要がある.令和3年度は,ヒト2検体,チンパンジー1個体,ゴリラ1個体死後脳の前頭前野から約5000から1万細胞の細胞核の遺伝子発現データを取得した.情報解析の結果,それぞれのサンプルから1細胞核あたり平均2000から3500遺伝子の遺伝子発現データを取得することができた.4サンプルを統合して解析した結果,11種類の興奮性神経細胞,8種類の抑制性神経細胞,2種類のアストロサイト,3種類のオリゴデンドロサイト,1種類のオリゴデンドロサイト前駆細胞,2種類のミクログリア,1種類の上皮細胞を3種すべてにおいて同定することができた.ただし,解析サンプル,解析細胞核数が十分でないものの,細胞タイプの構成比は3種の間で異なっている可能性が示唆された.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Journal of Comparative Neurology
巻: in press ページ: -
10.1002/cne.25314
PLOS ONE
巻: 17 ページ: e0265008
10.1371/journal.pone.0265008
Scientific Reports
巻: 11 ページ: 15437
10.1038/s41598-021-95041-3
http://www.nips.ac.jp/coggen/index.html