研究課題/領域番号 |
19H03320
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
向井 淳 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 教授 (70263019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 統合失調症 / エピゲノム / ヒストンリモデリング / ヒストンメチレーション / SETD1A / 22q11.2欠失症候群 / 神経発達障害 / クロマチン |
研究成果の概要 |
統合失調症と最も強固な因果関係を持つ遺伝子の一つSETD1Aは、ヒストンメチル化酵素をコードし、ヒストンをメチル化し、転写を制御する。その標的遺伝子は統合失調症のリスク遺伝子座に濃縮されることを明らかにした。また、Setd1aの転写制御ネットワークを標的としたエピジェネティックなモジュレーター薬の使用によって、疾患マウスモデルの認知機能障害が改善されることを明らかにした。これらの発見は、神経細胞転写制御ネットワークの制御因子のエピジェネティックな状態を変更する直接的および間接的な治療戦略が、統合失調症の認知機能や神経回路の障害を克服できる可能性があることを示した。
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自由記述の分野 |
神経科学 精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
【学術的意義】クロマチン制御因子としてのSetd1a機能を明らかにし、その標的が統合失調症リスク遺伝子座に濃縮されることを示した。Setd1a機能の成人期での回復を目的とする遺伝学的介入と、薬理学的介入の両方によって、Setd1a欠失脳における特定の認知および神経回路の障害を克服できることを実証した。この結果は正常な作業記憶に関する神経回路において、Setd1a機能の持続的な発現が必要とされることと、障害された神経回路が可逆的であることを示した。【社会的意義】本研究の成果をきっかけに、Lsd1阻害薬の臨床治験が開始された。世界初の統合失調症に対する認知機能障害改善薬としての承認が期待される。
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