研究課題
AAV (Adeno associated virus)-GFP-CAST-BirAを用いた感染実験をスタートさせるために、各種のコンストラクションの作成を行った。特に、ビオチンリガーゼ・BirAとCASTのリンカーの長さを変えたコンストラクションを作成して、海馬初代培養神経細胞での発現・局在解析を進めた。トランスフェクション後にビオチンを追加し染色したところ、いずれのコンストラクトもビオチンシグナルは内在性のアクティブゾーンマーカーBassoonと共局在した。さらに、Bassoonとの局在を定量化したところ、リンカーの長さによってビオチンシグナルとBassoonのシグナルとの共局在の程度に統計学的に優位な差が見られた。このことは、リンカーの長さを変えることによってCASTからの距離に応じた異なる結合分子複合体を検出できることを示唆する。
2: おおむね順調に進展している
マウス個体での条件検討までは進まなかったが、海馬初代培養細胞において詳細な条件検討を進めることができた。リンカーの長さは、ナノメートルオーダーの違いであるが、ビオチンシグナルに優位な違いが見られたことから、CASTからの距離の違いを反映した分子複合体の解析が可能となるデータを得られたため。
得られたタンパク質群を性質や局在、発現パターン等でグルーピングして、年度の早い時期に、質量分析を行い、既知のものについては文献調査を進めて、CAST結合タンパク質の候補を抽出する。特に、CASTのanchoring タンパク質の候補として膜貫通タンパク質に着目する。次に、生化学的に相互作用した分子について、シナプスでの発現および局在を確認する。新規分子については抗体の作成を試みる。そして、プレシナプスに局在し、かつCASTに直接結合することが確認できた分子については、AAVを含む各種発現プラスミド等の作成をすすめリソースをそろえる。機能解析については、海馬初代培養細胞もしくは急性スライスにて、電気生理学的解析および細胞生物学的な局在解析を行う。特に、表現型が顕著なものについては、遺伝子改変マウスの作成を開始する。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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