触覚は感覚ニューロンが担うが、生体内での触覚の分子機構には不明の点が多い。本研究ではゼブラフィッシュの感覚運動を指標としたアッセイ系を触覚研究に取り入れ、触覚に異常のあるゼブラフィッシュ変異体を足がかりに、触覚に必要な遺伝子を多数同定し、触覚受容における作用機序を明らかにした。一例をあげると、GPIアンカータンパク質の生合成に必要な GPIトランスアミダーゼのサブユニットの一つであるPIGKは、一次感覚ニューロンにおける電位依存性ナトリウムチャネルの軸作局在を制御することで、触覚に寄与することを見出した。また、PIGK遺伝子のバリアントがヒトで神経発達障害を引き起こすことを明らかにした。
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